普通預金と当座預金って何が違う?

ビジネス用語

口座振替の申し込む時書類に必要事項を記入していたり、ネットで振り込み手続きをしていると、「普通預金」「当座預金」という選択があるのを見かけると思います。

一般的に、企業(法人)や個人事業主によく使われる当座預金。

自分で起業する為に勉強している方は気になって調べているかも知れないですが、何となく理解してるけど、詳しくは知らない方も多いと思います。いまさら人には聞きにくいなぁという方の為に、「普通預金」と「当座預金」の違いを解説( •̀ㅂ•́)و✨

そもそも当座預金って何?

インターネットで振り込みしたり、窓口で振り込み手続きしたり、毎月支払う光熱費の
口座振替手続きを行う時に「普通預金」か「当座預金」を選ぶ欄があるのをご存知ですか?
たまに見かける「当座預金」って、どのような預金?
「いまさら人には聞けない」という人も多いのと思うので、そんなあなたに、そっと「当座預金」の特徴についてお話します

普通預金との違い

当座預金の3つのポイント

  1. 当座預金は普通預金と違って「利息がつかない」
  2. 当座預金とは、小切手や手形が使える、決済専用口座のこと
  3. 金融機関が破綻した場合、当座預金は全額保護(上限なし)

大きくは以上の3つのポイントがあります。
他にも様々な違いがあるので以下詳しく解説していきます。

当座預金の特徴 まとめ

当座預金の特徴1

利息がつかない

実は、当座預金は普通預金と違い利息がつかないんです。

今のような低金利だと、ほとんど気にならないって人がほとんどでしょうけど、金利が高いと影響はかなり出てきます。
ちょっと簡単なシュミレーションをしてみましょう。

【1,000万円を1年間預けた場合】

年利8% :  800,000円
年利0.01% :  1,000円
利息なし :   0円

じゃあ、なぜ利息がつかない様な口座を多くの会社は開設するのかと言うと・・・

当座預金の特長2

企業や個人事業主が手形・小切手の支払いを目的として開設する決済専用の口座

簡単にいうと当座預金って、手形や小切手での決済ができる預金のことです。

小切手や手形がよくわからないと言う人の為に簡単に解説。

商取引などで資金が動く(お金が動く)時、現金を手元に置いたり持ち歩いたりするのは、盗難などのリスクがある。そこで、商取引で、現金の代わりとして使われているのが手形・小切手。

現金の代わりに手形を受け取った人は、その手形に書かれている支払期日が来ると、取引銀行で現金を受け取ることが可能になる。期日までは現金化できないのがポイント。

現金の代わりに小切手を受け取った人は、その小切手を支払人欄に記載されている銀行に持っていくと、現金を受け取ることができる。また、自分の取引銀行に持っていくと、支払人欄に記載されている銀行に取り立てを行ってくれる。

どちらも、振出日(要は期日)から10日以内に銀行に持っていく必要がある。小切手や手形は信用を担保に支払いを遅らせることができるツールだと思ってもらえればいいと思います。
また、手形や小切手を受け取った人は、裏書をすることにより、今度は自分が現金の代わりとして取引先へ渡すことで、代金等の支払いをすることができます。



ちょっとディープなお話を・・・
この裏書きを元に支払いをすることで要は手形を回す事になるんですが、元の信用から下がるので同額の価値として見られないことがほとんど。たまにニュースとかで不渡りと言う言葉を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか?

手形を受け取った側が資金繰りが厳しくなって、その手形を元に現金を作りたい。受け取る側は何も担保がないのでその額面通りの金額では買い取らない。裏書きが何度もされていると、そもそもその手形は大丈夫なのか?と言う不安にかられ、その手形の価値はどんどん下がっていってしまう。手形を担保に銀行に融資をお願いしたら手形を発行した会社の信用がない為、断られたり。期日までが6ヶ月ある手形を受け取り、期日になったらその手形を切った会社が倒産。現金が受け取れないと言う事態も・・・この手形が手形として使えない、現金化できない状態が不渡り。
ビジネスが信用によって成り立っているって実感するシステムだと思います。



ちなみに、手形と小切手の違いは・・・

約束手形:支払い期日にならないと現金化できない

小 切 手:受け取った人がすぐに現金化できる


会社は資金計画を行う際、いつ現金化されるか分からない小切手よりも、支払い期日が明確な手形をよく使用します。
また、現金を持ち歩きたくない個人事業主の方は小切手を使う方が多いです。
脱線しましたが、当座預金のお話に戻ります。


当座預金の特徴3

預入金が預金保険制度で全額保護される

金融機関が破綻した時、預金保険制度によって、当座預金の預入金は全額保護。

万が一、金融機関が破綻してしまったら、普通預金の場合は、1つの金融機関あたり1,000万円までしか払い戻されません(ペイオフ)。

しかし当座預金は一定要件を満たす“決済用預金”に該当するので、預金保険制度によって全額が保護される決まりになってるんです。

例えば当座預金に10億円預け入れしていた場合、銀行が破綻したとしても10億円すべて保護されます。

当座預金の特徴4

残高不足の時、自動的に貸し付けを受けることができる(当座借越)

当座預金を開設する際に「当座借越契約」を締結する事で、借越限度額を設定することができます。これは、引き出しの際に預金残高が不足していたとしても、あらかじめ決められた限度額の範囲内であれば、手続き不要で金融機関からの借り入れが可能になるというもの。一時的に残高がマイナスで記載されますが、小切手や手形の決済時に預金残高が不足していても、あらかじめ決められた金額までは自動的に貸し付けされ、不渡りを防ぐことができます。


先ほども話しましたが・・・
「これを銀行に持っていけば現金に換えてもらえますんで・・・」と小切手や手形を取引先に渡したのに、いざ銀行に持っていったら、残高不足で現金化できなかったということを「不渡り」といいます。

不渡りを出すのは、本当に信用に関わります。
その取引先だけでなく、話を聞いた他の取引先をも失いかねないです。基本的に不渡りを2回するとアウトと言われています。不渡りを防ぐことは、ビジネスをする上で、とても大切なことです。

当座預金の特徴5

審査を受けなければ口座開設できない

当座預金を開設する時、各金融機関所定の審査を受けなければならないです。
個人の普通預金や定期預金は、本人確認書類を提出し、特に問題がなければ口座を開設することができます
だけど、当座預金は、各金融機関で決められた審査を通過しなければ、口座を開設することができません。最近は犯罪ごとで使用される可能性がないか個人でも口座開設が厳しくなって来ていますが、こと当座預金に関しては審査が厳しいです。
つまり、当座預金口座を持っているということは、ある程度信用できる会社等という証明にもなります。

当座預金の特徴6

引き出し限度額がない

普通預金は1日に引き出せる金額の上限が、個人の場合100万円、法人の場合は1,000万円と定められてます。生体認証とICチップ内蔵のキャッシュカードは制限なしのものもありますが、基本的に制限があります。一方の当座預金は引き出しの限度額の定めがなく、大きな金額を動かす必要のあるビジネスの取引に適してます。

当座預金の特徴7

ATMで入金(預け入れ)・出金(引き出し)ができない

当座預金の場合、ATMを利用して入金・出金を行うことはできないです。
預け入れは、当座預金入金帳が必要。引き出しは手形、小切手、口座振替によってのみ。なお、入金・出金にともなう手数料はかからない。利息がない分、手数料もかからないといった感じです。

普通預金と当座預金を比較してみよう!

当座預金の特徴はつかめましたか?
他にも違いがありますが、基本的な普通預金との違いを表にまとめたので見てみましょう。

ちなみに、普通預金も当座預金も変わらないのは、以下の点。

お金の預け入れ
1円以上・1円単位で随時預け入れることができる。

預け入れの期間
預け入れの期間に定めはなし。
期限があるわけではないので必要な期間、預入れておくことができる。 

株式配当金などの自動受け取り
給与や株式配当金などの自動受け取りができる。

公共料金などの自動引き落とし
公共料金等の自動引き落としができる。

当座預金はどんな人に必要?

ここまで読み進めて来たあなたは、かなり当座預金に対して詳しくなってると思います。特徴が分かり、普通預金との違いも理解した。じゃあ、この当座預金ってどんな使い方をする人に向いているのか?メリットを見ながら一緒に考えていきましょう。

当座預金を使うメリット

信用度が上がる

当座預金を開設する=各金融機関所定の審査を受ける
当座預金を持っているということは、金融機関の審査に通ったということ。
なので取引先からの信用度がアップします

当座預金を使うメリット2

1日の利用額に限度がない

企業同士の取引では現金取引で多額のお金が動くことがあります。ATMなどは、1日の利用額に制限があるので、多額の資金を動かすには不向き。急に大きな金額の支払いが発生して、支払日の数日前から何日かに分けて資金を引出した経験がある方もいらっしゃるんではないでしょうか?その点当座預金は、一般的には利用額に制限がないので、企業間の取引に向いていると言えます。

当座預金を使うメリット

小切手や手形での取引ができる

現金の代わりに手形や小切手を発行することができます。

それらを取引先に渡すことで代金等の支払いが完了したとみなされるので、多額の現金を持ち歩く必要がありません。
特にビジネスで高額な取引を行う際は、現金の盗難などの危険を回避することができます。

また、手形は、記入されている指定日に、記入されている金額を支払うことを約束。
つまり指定日まで実際の支払いを延ばすことができます。

例えば、300万円を支払わなければいけない場合。
今は銀行口座に支払えるだけの残高がない
だけど、25日後に支払額を超える480万円の入金予定があるならば、手形を発行することによって「1ヵ月後に支払う」ことが可能になるんです。

ただし、読みを誤ったり、不測の事態が起きて入金がズレてしまい、支払期日に残高不足で決済できない時は「不渡り」となり、現金を受け取るはずだった取引先の企業や個人の方々に迷惑をかけることになります。
それだけでなく、不渡り情報は手形交換所に提供されるので、手形交換所に参加している他の金融機関にも知れ渡ることになります。

しかもこの履歴は残ります。悪い噂は広まるのもあっという間。「あそこ、×だから気をつけたほうがいい」などと言われてしまうことも・・・
黒字倒産に追い込まれる方の中で、1度の不渡りが原因で金融機関から今までの継続的な融資がキャンセルされ、更に資金繰りが厳しくなり倒産に追い込まれるパターンが多いです。

便利なはずの手形や小切手での取引が、それまで築き上げてきた信用を失うというデメリットになりかねません。
無計画な手形や小切手の振り出しは厳禁。資金繰りの計画は、慎重に行うべきです。

当座預金を使うメリット

預金残高が不足していても支払いができる

当座貸越契約を結ぶことで、手形や小切手の決済時に残高が不足していた場合、自動的に貸し付けを受けられます(契約金額内に限る)。
資金繰りが予定通りにいかなかった時でも、当座貸越ができれば不渡りにならずに済むので安心。不測の事態の時の保険的なものです。
ただし借り入れの利息が発生するで、当てにし過ぎないように・・・

座預金を使うメリット

金融機関が破綻しても全額保証される

万が一、金融機関が破綻してしまった場合でも、当座預金に預入れていた金額は預金保険制度によって全額保護。

金融機関の預貯金の合計額が1,000万円以上ある場合には、預金額が保証される当座預金口座を利用できると安心ですよね。


以上5つのメリットを見て来ました。
開設することで信用度が上がり、1日の利用額に限度がなく、手形の発行で支払を先に延ばすこともでき、もし残高不足でも当座貸越契約によって自動的に借り入れができ、金融機関破綻時には全額保護される当座預金は、

ビジネスにおいて多額のお金を動かすことのある企業や個人事業主が向いていると言えるでしょう!

この記事を書いた人
セナ小滝

ゆるく最強変人代表
”ゆるく最強”を仲間と掲げ、日々刺激と安らぎを求め活動中
「大丈夫」が口癖。奇人変人、変態と言われると喜びますw
己の限界にチャレンジすることに生きがいとやりがいを求める冒険好き
元工務店経営者としての経験や経営コンサル・コーチ業に20年近く携わってきたノウハウを提供します。言語化・ロジック化、限界突破系を得意としてます。

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